男性向けの健康食品、サプリメント、化粧品の通信販売を手掛ける京福堂さま。2022年春ごろ、育毛剤「アンサード EX7」の発売を控えたタイミングでa-worksにお声がけいただき、新規顧客獲得のプロモーションをお手伝いさせていただくことになりました。
当初の停滞から一転、売り切れるほどの反響を生んだ広告施策とは。京福堂さまと当時を振り返るとともに、次の課題や今後の展望についても語ります。
プロモーションを開始してすぐに在庫切れに
四角:a-worksが京福堂さんとのお取り組みをスタートさせていただいて半年ほどが経ちましたが、率直な感想をお聞かせいただいてもいいでしょうか。
関さん(以下関):うれしい悲鳴ではあるのですが…11月には一瞬在庫切れとなり、件数が取れすぎたなと(笑)正直なところここまで伸びるとは思っていなかったので本当に驚いています。会社としても「新商品のアンサードEX7に予算を投下していこう」との方針があったため、ある程度は売れるだろうとは思っていたのですが、予想を上回りすぎました(笑)
岡部さん(以下岡部):既存商品の売れ行きも好調でしたので、配送やカスタマーサポートの部署がかなり大変な状態になっていました(笑)。
関:岡部も配送に手伝いに行ったりしてね。とはいえそうした経験を経て、部署を超えてサポートし合う雰囲気が醸成されましたし、社内外の体制を見直すきっかけにもなったので逆にいい機会をいただけたと思っています。
服部:ご負担をおかけし心苦しかったのですが、ポジティブに捉えていただきありがたいです…!
停滞感を払拭するため、思い切ってオファー変更を実行
関:アンサードEX7は弊社が初めて手掛ける育毛剤で、市場としては非常にレッドオーシャンです。業界シェアを獲得するためには適切なプロモーションが必要だと感じていたときにa-worksさんを紹介していただきました。
これまで弊社が扱ってきた広告はほとんどが予算型。アフィリエイト広告も手掛けてはいましたが件数が伸びず、期待値はあまり高くありませんでした。昨年からアフィリエイト担当を1人付けたもののこれ以上人員を増やせないという実情があったのですが、メディアさんやASPの全体的な管理を一貫しておこなっていただける点が決め手となり、a-worksさんとのお取り組みを決めました。
岡部:発売当初に掲げていた弊社のオファーは、初回定価の2,980円が1,000円オフ、1,980円でした。服部さんからは「その内容だと目指す獲得数を達成するまでに少し時間がかかるかもしれない」と説明がありましたが、いったんはこちらの思いを汲み取って動いていただきました。
服部:初回の打ち合わせ時にアンサードEX7の目標値をうかがっていましたので、当時のオファー内容ではスピード感を持って京福堂さんの期待に応えるのは難しいかもしれない、との懸念は抱いていました。ただ、オファー変更によって京福堂さんのリスクが大きくなることも理解していましたので、まずは運用をスタートさせ、京福堂さんが求めるスピード感と成果のバランスを都度確認しながら進めることに。ただ、メディアさんの立場からすると知名度が高くない商品は購入されづらいので敬遠されがちですし、新発売の商品のため実績がなく、なかなかスムーズに掲載を取り付けられず…といった状況でした。
関:スタートしてすぐに成果が出ないことに対しては正直、予想の範囲内ではありました。アフィリエイトの難しさは知っていましたし、メディアさんも商売なので、売れる商品を載せたいとの気持ちもわかりますし。
服部:まずは検索面におけるメディアさまへの掲載打診を進めていましたが、新商品ということもあり、検索面だけではポテンシャルが限られてしまう。京福堂さんが求めているスピード感と成果を作るためには、検索面に加えて、ディスプレイ広告やSNS広告などアドネットワーク領域を見据えたコンテンツ展開が必須だと感じていました。
メディアさんに取り組んでいただける土壌さえ整えば必ず成果が出せるとの自信がありましたので、こちらでリサーチさせていただいたライバル商品との比較や収益予想をもとに、初回980円オファーでチャレンジしてみませんか、と提案させていただきました。
四角:当時、服部には「クライアントの言葉に耳を傾けるのはもちろん重要だけれども、クライアントの目的を達成するために何をすべきかを考えるのが僕たちの役割だ」と伝えたのを覚えています。言われたことだけをこなすのでは、a-worksが介在している価値がありません。
服部:予想していたよりも早く承諾してくださったのでメディアさんへの再打診もしやすかったです。ありがとうございました。
関:実は以前に別の商品で980円オファーを実施したことがあり、通常価格での販売が鈍化するという懸念があったんです。一方で服部さんからの提案を受けて、やはり売れなければ意味がないし最初はブーストをかける必要があると実感し、980円オファーを敢行しました。
服部:アンサードEX7は商品特性がしっかりしていますし、たとえ以前のオファー内容であったとしても、きちんと丁寧に紹介すれば確実に売れる商品だとの自信はありました。ただ、メディア側としてはやはり収益を基準に判断するので、「いい商品なのはわかるけれども、ライバル商品の倍の価格では売りづらいし選ばれにくい」という声があったのも事実。ライバル商品とのオファー内容がそろったことで一気にメディアさんを動かせるようになり、加えて、各コンテンツを通じて商品の優位性がしっかり伝わったことも件数が伸びた要因だと思っています。
動画メディアと商品特性がマッチし、大きな反響に
服部:育毛剤は成分を打ち出す商品が多く、どうしてもコンテンツの内容が似通ってしまうという課題がありました。そうしたなかで、「炭酸泡」というアンサードEX7の特性を全面に打ち出した動画コンテンツが大きくヒットし、ほかのメディアさんにもいい影響を与えてくれました。他の育毛剤とは違う切り口で紹介できる商品であることが、メディアさん側から取り組みたいと言っていただける理由のひとつになっています。
岡部:どんなメディアさんに掲載していてどんな数字が出ているか、といった報告だけでなく、プロモーション内容についても細かく共有してくださるのでとても参考になっています。自社LPでも当初は成分特長をメインに打ち出していましたが、服部さんからのフィードバックを受けて、視覚的に「炭酸泡」がわかるビジュアルに変更しました。
関:開発時から「泡」にはこだわっていたんですが、やはり育毛剤ユーザーがいちばん気にするのは有効成分なのかなという思いもありました。結果的に、他社製品との一番の違いである「炭酸泡」をわかりやすく訴求できる動画メディアとうまく噛み合って成果が出たというのはうれしいですね。
岡部:露出が増え始めてから弊社にも直接メディアさんからの問い合わせが来るようになり、対応をすべて服部さんにお願いしています。クリエイティブチェックや掲載先の調整など一手に引き受けてくださっているのでとても助かっていますし、状況を随時報告してくれるので安心感が大きいです。
服部:メディアさん側からの提案もすごく多いんですが、お取り組みするメディアさんの見極めは慎重におこなっています。「とりあえず獲得できればいい」という考えではなく、きちんとLTVも見据えたうえで一緒に取り組んでくれるメディアさんでないと、長い目で見てブランド力の低下につながってしまうので。加えて、トラブルを未然に防ぐためには細部のクリエイティブチェックや公開手順の確認も不可欠です。
チャットボットの改善で初回アップセル率が2倍に
関:服部さんと食事をしていたときに何気なく「初回購入時のアップセル施策が伸び悩んでいる」と話したら、次回のミーティングでチャットボットの改善案を持ってきてくださったときは驚きました。
服部:ちょうど社内でチャットボット改善によるアップセルの成功事例を耳にしたばかりだったこともあり、すぐに弊社コピーライターに相談して「シナリオ変更」と「オファー見直し」の提案をまとめました。チャットボットの変更は御社内での作業になるため手間も大きかったと思いますが、担当の方がスピード感を持って進めてくださいました。
メーカー視点だとどうしても言いたいことが多くなってしまいますが、ときにはノイズになってしまうこともあります。LPもチャットボットも、目的は購入してもらうこと。ユーザーの、「購入しよう」と思う瞬間の気持ちに寄り添った表現を突き詰められるのが弊社の強みだと思っていますし、これまでの実績と自信があるので臆さず提案させていただいています。
岡部:チャットボットを改善してすぐに初回アップセル率が約2倍も引き上がり、担当者も喜んでいます。まさか、アフィリエイト領域ではない提案までしていただけるとは思っていませんでした。
服部:アップセル率の向上は、LTVを伸ばすうえで重要な要素です。a-worksが大切にしているのは、クライアントと長くいい関係を築き続けること。京福堂さんの業績がアップしてこそ、a-worksも利益を得ることができます。チャットボット改善は直接の売上にはつながりませんが、慈善事業ではなくあくまでもビジネスとして、a-worksの得意分野でクライアントをサポートしたいと思っています。
LTVを視野に入れたアフィリエイト戦略を
岡部:アフィリエイト広告をメインとする代理店とのお取り組みはa-worksさんが初めてなんですが、「ここまでやっていただけるなんて予想外でした」というのが正直な感想です。「そこまで手をかけてもらって大丈夫ですか。それは仕事の範囲ですか」と心配になるくらい(笑)
広告による購入者の質やCPAの違い、薬機法の考え方など、a-worksさんとのお取り組みを通じて深まった知見は数え切れません。商品特性を見据えたうえで利益につながる取り組みはなんなのか、アンサードEX7で得た学びをほかの商品にも生かせているので本当に感謝しています。
僕が所属しているマーケティング部は新規獲得が命題なので、指標としてはCPAと獲得件数のみで本来はLTVは追わなくてもいいんですね。けれどa-worksさんは常にLTVを視野に入れたお話をしてくださるので、私自身、LTVを追求できる視点・スキルが身についたと実感していますし、そうした考えが会社全体にも波及しています。
また、a-worksさんから提供していただいたLTVを計算できるシートがめちゃくちゃ便利です!うちから提出したデータをあんなふうに読み取って使いやすいツールにしてくださったことに感動しました。
関:実は岡部が入社する前にアフィリエイト広告を得意とする代理店さんとお取り引きさせていただいたことがあったんですが、お互い「動き待ち」みたいなシーンが多かったんです。どちらも受け身というか…。a-worksさんとはお互いにどんどん動いてPDCAを回せていて相性がいいですね。
服部:自社で運用されている配信先媒体やクリエイティブ別のLTVなど、京福堂さんはあらゆる情報を開示してくださるのでとてもありがたいです。双方のデータを隠すことなく見せ合える関係だからこそ、意味のある改善につなげられているのだと思っています。
四角:LTVを伸ばすためにはF2転換が不可欠ですが、その点においてはまだまだ課題が残っていると感じています。F2転換へのこだわりはa-worksの強みのひとつですので、構造の見直しも視野に入れながら、これからも京福堂さんに並走させていただけたら幸いです。
関:a-worksさんが闇雲に初回注文を取り続けることを目的としていないことは理解していますので安心してください(笑)新発売の商品に関してはなかなかLTVが見えてこないため展開が難しい部分もあったと思いますが、だんだんと数字も見えてきましたので今後さらに突っ込んだ相談をさせていただきたいと思っていますし、a-worksさん視点での戦略を期待しています。
クライアントと向き合って、「売れる仕組み」をつくりたい
岡部:1年前は、アフィリエイトでの新規獲得数は全体の3%以下でした。現在では新規獲得の約半数がアフィリエイト獲得となっており、結果的に全体の数字も引き上げてくれています。私は京福堂に入社して約1年ですが、この期間でa-worksさんとともにアフィリエイト広告の基盤を整えられたことは本当にうれしいです。
関:a-worksさんはクリエイティブ力も強いと聞いていますので、クリエイティブ領域のご相談もぜひお願いしたいです。商品LPは基本的に社内で制作しているのですが、数字につなげるためのよりよい表現方法や考え方などご指南いただければと思います。
服部:今後は、これまで以上に「流入経路別のクリエイティブ整備」が重要になってくると思います。常に最新のデータを参照しつつ、広告を見て入ってきた人のタイプにアジャストしながらブランド認知を高めるお手伝いをさせていただきたいです。
関:また、これはEC業界全体の流れだとも思うんですが、CPAは年々上がり続けているもののLTVは減少傾向にあります。大手企業を含めECへの新規参入が増え続けていることもあってブランドを乗り換える消費者の数は多くなっている印象がありますが、どう解決していけばいいのかが最近の悩みではあります。
四角:おっしゃるように消費者の欲求を満たすための選択肢は増え続けており、「この商品を買うべき理由・継続すべき理由」が持たせづらくなっている、という面は正直あると思います。だからこそ、「より深くブランドへの愛着を持ってもらえるような仕組み」を考えることが重要になってくる。a-worksとしては、京福堂はじめクライアント一社一社に対してオーダーメイドで売れる仕組みをつくり事業に貢献したいと思っていますので、ぜひ一緒に挑戦させてください。
関:心強いですね!よろしくお願いします。
関さん、岡部さんありがとうございました!弊社のクリエイティブにも興味を持っていただけているとのこと。近々ぜひ、勉強会など実施できればうれしいです。
【過去のクライアントさま対談はこちらからご覧いただけます。】
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