想いが込められた商品を必要とする人へ届けることで、その人のライフスタイルがよりゆたかに、理想に近いものに変わっていく。そのお客様の体験が、ブランドの未来を育てていく。
消費者も、ブランドも。関わる人の想いに応えるための「真のブランド支援」を目指すために、私たちは今後ビジネスモデルにどう向き合い、高めていく必要があるのでしょうか。
正直、a-worksの中でも明確な答えはなく、模索しながらチャレンジを繰り返す毎日です。
そこで、今回はアクティブ合同会社の藤原 尚也様をお招きして、弊社代表の野山とのトークセッションを実施。ブランド支援の在り方とa-worksの未来について一緒に考えていただきました。数々の企業のマーケティング支援をされてきた藤原様の考えを聞きながらディスカッションさせていただいた当日の様子を、レポートします。
藤原様とは、以前DoCLASSE様との取組でも対談させていただきました。こちらも是非ご覧ください。
LTVが3倍!DoCLASSE藤原氏に、10年後を見据えたデジマケ戦略を聞いた【対談】
ラジオ出演から、とんとん拍子
※撮影時のみマスクを外しています。
ラジオ出演から、とんとん拍子
野山:
今日はですね、アクティブの藤原さんに来社いただきました。みんな拍手!
藤原様:
ありがとうございます。今日はよろしくお願いします。
野山:
藤原さんとの出会いは2016年で、僕が初めて出た「コマースサミット」のプレゼンテーションのときにお会いさせていただきましたね。その後、藤原さんがCMOをされていたDoCLASSEさんを紹介いただけたり、今だと国内大手紳士服チェーンさんとも取引をさせていただいていて。
それで、2020年9月に僕が個人的にやっている「a-worksの野山の一杯奢るんで」っていうラジオで藤原さんに取材させていただきました。そのときに「そういえばa-worksに来たことないよね」って話になったんですよね。
藤原様:
そうなんですよ、1回も来たことなくって。
野山:
じゃあ、今度来てもらったときに「a-worksの次のステップについて一緒に考えてほしい」ってお願いをしたところ、「面白そうだね」と言っていただきましたので、今日はその話をさせてもらえたらなと思っています。
会社として、ブランド支援をできるようになっていこうという話は何回もしてきてるんですけど、まだ僕のなかでイメージが完全に固まっているわけではないんですよね。なので、どんな思想で、何をしていきたいのかといったことを僕から藤原さんに説明をさせてもらいながら、質問したりディスカッションできればと思います。
藤原様:
はい、よろしくお願いします。
アフィリエイト代理店からブランド支援企業へ
野山:
では早速、a-worksの次のステップなんですが、ざっくりアフィリエイトNo.1カンパニーからブランド支援Onlyカンパニーへ。こういう進化を考えています。
まずそもそもですが、僕たちは「アフィリエイトNo.1の会社になろう」というのを掲げてやってきたわけではないんです。創業初期の頃に僕がつくったメディアのマネタイズが成功したり、そこでできることを重ねてきた結果、アフィリエイトという市場で成長してきたんですね。
藤原様:
そうなんですね。アフィリエイト広告は、広告主からしたら費用対効果のいい広告ですよね。
野山:
そうですね。成果報酬型だからリスクも少ないです。中小企業としてまずここでポジション取っていこうと考えて、2010年くらいからやってきました。
それからいろいろやってきたんですけど、2017年、2018年とGoogleを中心としたアルゴリズムの変更や、他にも広告の規制がすごくあって。インターネットのマーケットってめちゃくちゃ変化が早いので、これに振り回されて実際に売上がドーンと落ちてしまう経験を何回かしてきました。そんなこともあって、アフィリエイトという外部環境依存がすごく強いビジネスモデルからは一歩抜け出したいなという思いはあります。
藤原様:
今後はビジネスモデルを強くしていかないといけないということですね。
野山:
そうですね。あと先ほども言った通り、別に僕たちはアフィリエイトをやりたくて仕方がない会社ではないんです。
僕たちがこれまでやってきたことが、結果的に顧客にすごく価値があると言っていただけたり、評価いただけているからこそ、アフィリエイトにこだわってはきました。広告主さんをはじめとする支援先の企業がすごく喜んでくれて、事業が伸びて、ブランドが成長して、「a-worksのおかげでこんなに事業成長できましたよ」みたいな声をいっぱいいただいてきたんですね。そういうことを今後進めていきたくて、“ブランド支援”というところにポジションを置きたいなと思っております。
藤原様:
なるほど。
そもそも「ブランド」とは?
野山:
あと、そもそもブランドってどういう意味で使っているかというと、「想いが込められ続けている商品群」という風に考えています。
野山:
言ってしまえば、世の中に商品はいっぱいありますよね。化粧品も健康食品もアパレルも、山ほど商品がある中で「金儲けたいから通販やってます」とか、「今アパレルこういうのやったら売れるんですよね」みたいな人たちもいるだろうと思っています。そういう人たちがつくった商品を消費者に届けても意味あるのかな?と僕は考えるタイプで。
そうじゃなくて、想いを込めてつくられた商品を届けることで、「この商品に出会ってよかった!」と言ってもらえるものを届けることに意味があると思うんですよ。そういった想いが込められているものを、ブランドという風に僕らは使っているんです。
藤原様:
でも何がブランドなのかって正解はなくて、人によって全然違いますよね。ブランドに価値があるのかないのかって、お客さんが決めることであって、“お客さんが体現している行動や言葉がブランドである”っていう見方もできますよね。
野山:
確かに確かに。
藤原様:
だからブランドの見方っていうのはすごく難しくて。想いが込められた商品やサービスが結果としてお客さんにも受け入れられて、ブランドと言われているのが大事ですよね。
野山:
そうですね、ありがとうございます。お客さんがいいと思ってくれることは大前提ですね。僕たちもそういう意味があるものを広めたいなとは思います。
ブランド支援とは、想いの込められた商品を必要とする人たちへ届けることで、消費者のライフスタイルが高まり、支援先の企業の事業成長にも繋がるサポートをすることです。お金儲けだけが目的ではなく、消費者からも必要とされる商品を、世の中に広めることに意義があるとa-worksは考えています。
ニッチ市場で伸びる!ブランド支援アプローチ
野山:
ブランドを世の中に届けていくために、僕たちがこれから目指す会社は“信念のある経営者が創ったブランドを、事業/組織の両面で支援できる企業”。こんなイメージです。
野山:
仮に予算がなくても広める意味があると思う企業に関しては、どうにかして一緒にやっていきたいなと考えています。成長してもらって、いい関係が長く続けばいいですよね。逆に、互いにいい関係をつくれない企業を支援する必要はないかなと思っているのと、お金儲けを目的にした企業とは取引しません。こんな感じで考えています。
藤原様:
いいと思います。
野山:
それから、大手企業と僕たちみたいな中小企業とでは全然役割が違うと思うんです。大手企業は、どちらかというマス向けに多くの資本を集めて、大きい組織をつくって、ソリューション大きくしていくものかなと思ってまして。
一方で僕たち中小ベンチャーの仕事は、こだわりのあるブランドに対して、必要なソリューションを届けていくことだと思ってます。a-worksで言うと、クリエイティブの改善点、広告発信の仕方とか、お客さんのニーズをちゃんととらえて提案をしていきたいですね。
藤原様:
大手企業と同じことをするんじゃなくて、ニッチ市場でどんどん伸ばしていくってことですね。
野山:
そうですね、ニッチ市場でやります。
具体的に取り組んでいることを1つ上げると、プロジェクトコンサルティングをやっています。事業や組織の何に課題があるのかをヒアリングして、ソリューションを提供しています。
藤原様:
へえ、プロジェクトコンサルティング。それはアフィリエイトは全然関係なくですか?
野山:
関係ないです。いわゆるマーケティングチームづくりをしたいんです。
藤原様:
なんか僕みたいですよね。
野山:
そうですよね。結構近いかもしれません。他にも、ブランド支援という文脈で、クリエイティブ制作を社内でできるように支援する提案をしてたりもします。どれも共通して、“大手じゃない僕らだからこそできるアプローチ”にこだわってやっていきたいなと考えてます。
藤原様:
すごくいいと思います。
広告を通して、商品の価値を正しく伝える
藤原様:
ブランド支援という文脈で言うと、まずは“商品の価値を正しく伝える”というのが大事だと思いますね。
僕はいろんな会社の中に入ってマーケティング支援をさせてもらってますけど、事業がうまくいってない会社に行って話を聞いてみると、みんな口を揃えて「うちの商品はいい」って言うんです。「商品はいいのに、マーケティングがうまくいってないからだ」、「デジタルをうまく使えてないからだ」って。
僕がいつも言うのは、「いいかどうかはどうでもよくて、今の時代いい商品以外つくる人なんていないです。みんないい商品だけど、“何がいいか”が伝えきれてないから売れてないんですよね。」ってことです。だから、僕らブランド企業側が野山さんたち支援企業に期待しているのは、価値がある商品をユーザーに伝えるための、商品の見せ方の部分ですね。「僕たちの価値をこういう風に世の中に伝えてほしい」、それをお願いしているイメージです。
野山:
広告を通して商品の価値を伝えるっていうことですね。
藤原様:
そう。自分たちの商品の価値を伝えるためには、オウンドメディアで伝えるのが一番正しくは言えます。だけど、自分たちから離れれば離れるほど、違った方向に伝わっていくこともある。
だから消費者が実際にその商品を使うところまでを一気通貫で、正しい価値を理解してもらう。ここがすごく大事なポイントかなって思います。
野山:
それはすごく大事ですね。そういう会社でありたいなと、今みんなも強く思ったんじゃないかなと思います。ありがとうございます。
商品の価値を見い出し、売ることができる
藤原様:
もう少し踏み込んだ話をすると、広告に限らず、どう商品を売っていくのかというところも考えていけるとよりよいですよね。
たとえ大手でも、商品の売り方がわからなくて、意外と知られてない商品ってあるんですよね。大手だろうがちっちゃい会社だろうが、“商品のことを一番理解し、売ることができる会社がa-works”って言えるとよりブランド支援に近付くんじゃないかな。
つくった人の想いがこもった「商品」を、そのブランドの中でどう売っていくのかを考えるということです。例えば、ブランドの中にありながらブランドの枠から逸脱する商品もあるかもしれない。じゃあそれはブランドの定義に置き換えて売った方が売れるのか。もしくは富士フイルムが突然化粧品をつくり出したみたいに、あえてブランドの定義から外すけど、根幹のコンピタンスである技術力は活かして売るのか、とかですね。
野山:
“商品単位で価値を見いだして、売ることができる会社がa-works”ってことですね。確かにそれはブランド支援の文脈ですね。
藤原様:
大手がやらない領域だと思いますし、いいと思います。
世の中いろんな商品がありますけど、売れてるものもあれば当然、売れてないものもある。なので1個1個の商品のプロジェクトコンサルタントとしてa-worksが入って、その勝率を上げていくところをやるっていうのも、ある意味ニッチって言ってもいいんじゃないかなと思いますね。それができてる会社ほぼいないと思います。
野山:
参考になります。ありがとうございます。
商品単位の価値を深く理解して、それを適切に消費者に伝えることで、本当に必要としている人々にブランドの想いが届き、ブランドが広まっていきます。ブランド/企業単位ではなく、商品単位で深く理解することができるのは、中小企業だからこそできるアプローチ方法です。
こんな広告代理店と仕事がしたい
野山:
僕たちのような支援側の企業、いわゆる代理側とかパートナー、ベンダー企業に今求められてることや、足りてないと感じることって何かありますか。
現状を把握した上での本質的なアプローチ
藤原様:
ブランド企業側としては、顧客目線、市場目線で「この商品ってこういう価値がありますけど、逆にこういうところは良くないですよね」みたいなことを言ってもらえる支援企業と仕事したいと思います。ブランド企業の中には、「自分たちはこういうブランドで、お客さんはこういう人たちだから、この商品はこういうお客さんに買って欲しいです」って言う人もいるんですけど、「本当にそうなん?」って思うときもあるんですね。
野山:
実際に商品を買っている層は違うってことですか?
藤原様:
そうです。これはとある通販会社さんの事例ですけど、30代をメインターゲットにつくった商品が、気づいたら50代の層にいっぱい売れていたことがあったんですよ。
だけど徐々に売上が伸び悩んできていて。デジタルを使って伸ばしたいとは思っているけど、今までそんなにCPAをかけていなかったから、CPAが上がることにはどうしても抵抗があるって言われたんです。
野山:
今まで以上にお金がかかるし、それは抵抗ありますよね。
藤原様:
こんな風に、自分たちが売ろうと思ってるお客さんと、実際のお客さんがずれることってあると思うんです。
そういうときはもう1回ターゲットを見極めて、それに合わせて課題解決するクリエイティブLPをつくって売っていくとか。ターゲットの年代が自動的に5歳10歳って上がっていったら、一緒にそのターゲットを追いかけて、売り上げをつくっていけるようにしないと、企業が残っていけないんじゃないかと思うんです。
自分たちが意図して戦略的にやったマーケティングによる結果じゃなくて、偶然的に出た結果に依存している限りはうまくいかない。そういうところを、みなさんが支援するブランド企業に言えたらいいですね。
野山:
確かに。支援企業側にそういうことが言える人たちがあんまりいないってことですよね。
藤原様:
そうですね。商品の価値やターゲットが本当の意味でわかってないと難しいですね。
ブランド企業から新規顧客を獲得したいって言われたときに、表面的な情報だけだと、「じゃあこういうメディアに出せば、他社だとこんなCPAが出たんで、御社もやってみませんか」みたいな提案ばっかりになります。
野山:
めちゃくちゃ面白い話ですし、超参考になります。ありがとうございます。真に迫った適切な問いを立ててあげることが、支援側には大事なんですね。
狙って出た結果ではなく、偶然生まれた結果に依存していては、長期的な事業成長はできません。「届けたいお客様に本当に届いているのか」に気づかせてあげることができる支援企業は価値が高いと言えます。商品の価値やターゲットを商品単位で深く理解しているからこそ、こういった本質的な提案ができます。
組織の中に入ってコミュニケーションを取る
藤原様:
中には“デジタルはお金がかからない”って思ってる人もいるんですよ。だから予算もそれ前提なんですけど、でも実際はお金かかるじゃないですか。だから「基本的にお金はかかるもんです。人の手もリソースもかかります。むっちゃ面倒くさいんです」っていうのをちゃんと話さないと、そもそも予算がもらえないんです。
それから、僕は予算どうこうの前に、絶対に組織とか社内体制を見直します。社内の会議体やいろんな運用フローとかですね。例えば、上から決められた役割の中じゃないと現場が動けないってときに、こっちがいいもの持っていっても、なかなか社内で通せないこともあるじゃないですか。
「やりたいんですけど、すいませんこんだけしかできないんです」ってなると、「じゃあとりあえずその中でテストしてみて、よかったら次に繋げていきましょう」って言ったって、大体テストだけじゃいい結果は出ないです。そうするとそのままポシャって、現場はなかなか前に進めない。
だからそこをまず調整します。社内調整が肝なんですよ。
野山:
藤原さんの手法、めちゃくちゃ上流ですね。もう根幹というか。もしかしたら、僕らもそういう領域をできるのかもしれないと思いました。
藤原様:
そうですね。
1番最初は、“ちょっとしたできないこと”を聞くようにしてます。例えば現場から、「こういうのやりたいんだけど、うまくいかないんですよね」とかって話を聞くんですけど、大概そんな重い話じゃないんですよ。それを役員や他部署の人と連携して解決してあげると、みんなの僕に対しての意識が変わったり、「あ、言ったら変わるんだ」、「できないもんだと思ってたけど、できるんだ」って現場にも変化が出てくる。
ちょっとしたことなんですけど、そんな風にみなさんが現場の人をフォローするコミュニケーションができれば、すごいいい方向に変わると思います。
野山:
そうですね、ありがとうございます。
藤原様:
僕がこうやって組織の中に入っていってガンガン言える理由は、いろんな会社のマーケティングをやってきた実績があって、信用してもらえてるからだと思うんですね。BtoBでトライ&エラーをやってきて、成功も失敗も経験してる人が言ったら、そこに価値がある。
a-worksで言うと、みなさん支援している企業の情報を社内で共有できるじゃないですか。共有することで、ファッション系の企業を担当してた人がコスメ業界のことも分かるようになったり、施策を横展開できたり。1人1人のスキルも伸びて提案力が上がってくるような気がします。
ブランド企業へどれだけいいソリューションを提案できても、企業内の組織体制がボトルネックとなってうまく進まないこともあります。現場担当者だけでなく、その上の意思決定者や関連部署も含め、組織の中に入り込んでコミュニケーションを取ることができれば、より支援の幅が広がります。
若手マーケターにアドバイスを
野山:
うちの会社のメンバーはほとんどが転職組で、20代半ばくらいから未経験で入社してるんです。デジタルマーケティングって何?ECって何?ってところからスタートしていて。また大阪ってこともあって、なかなか先輩マーケターに会う機会がないんですよ。
藤原様:
そうですね、大阪はなかなか難しいとこありますよね。
野山:
そういうメンバーたちに、これからこんな風にしたらいいよ、もしくはこんな勉強したらいいよとか、何かあれば一言ください。
担当する商品を無理やりにでも好きになること
藤原様:
勉強せいとは言わないんですけど、伝えたいことは大きく2つあります。自分の部下にも言いますけど、1つは自分が担当する商品をとにかく使って好きになることです。無理やりにでも。
ちなみに僕、今までスーツは持ってなかったし、ほぼ着たことなかったんです。だけど今はさすがにに担当紳士服チェーンのスーツを買って、普段から着るようにはしてます。
個人的には、「なんでスーツ着なあかんの、面倒くさいな」って心の中で思いながらも、どうやったらこのスーツが面倒くさくならないのか、自分から着たいってなるのかと考えながら着ていて、そういう風にやっぱり努力してほしいっていうか。
野山:
それは大事ですね。
藤原様:
自分自身が消費者になることは大事ですね。僕は自分で店舗にもよく行きます。
野山:
売り場を見て、大体この辺の層がきてる、というのを実際に確認するんですね。うちのメンバーでも、化粧品とかすごい好きで、実際に売り場に行く子はいますね。デパート行ったり、ポップアップ行ったりすると、すごくインサイトが見えやすいと思うので、それはいいですよね。
藤原様:
そうですね、あとは女性誌も読みます。他にも、最近ではTwitterとかでもリアルの声は知れますよね。
野山:
すごいですね。めちゃめちゃ情報収集されてるんだなってことを改めて感じますね。
世の中の情報を徹底的に見ること
藤原様:
あとは、片っ端から世の中の情報を見まくってほしいですね。テレビもそう。どんどん見ない人が増えて、家にテレビがないっていう人もいると思うんですけど、買うこと。
野山:
テレビも買いなさいと(笑)
藤原様:
見ないといけないと思いますね。何だかんだ言っても、テレビは日本の広告市場でもまだまだインターネットと同じ規模があるんで。
あと、どこの会社でもテレビとネットの両方をうまく組み合わせてメディアミックスしてるので、マーケティングの仕事をしててそのテレビを見ないっていうのはあり得ないですよね。だから、「見ないんだよね」じゃなくて「見る」。こういう感じですかね。なんぼでも録画できるから、是非やってほしいですね。
野山:
テレビの中でも特にどのあたりを見てるんですか?
藤原様:
朝と昼と夜と深夜で分けるんですけど、朝は起きたら一通り見てます。めざましからスッキリから、全部ザッピング※しながら見る。
※テレビ視聴において、リモコンでチャンネルを頻繁に切り替えながら視聴すること。
昼の番組は全部録画してます。主婦向けにどういうCMを入れてるかとか。それからゴールデンタイムのドラマや特番、深夜はほとんどダウンロード型のアプリだと思いますけど見てます。あとは、Googleのトレンド。CMの最後に出てくる検索の案内ってあるじゃないですか。あれが本当に検索されているのかとかも見てます。
野山:
僕そこまで広告見てなかったなってちょっと今反省してますね…。
藤原様:
結構見てますね。商品に使っているタレントをCMで使ってないときは、その人の年齢層を見て、「なんでこの層を使うのか?」、「この商品ってそういうターゲットやったっけ?」とか考えてます。
やたらCMで見る会社は、他でも何かお金を使ってるのかなって考えたり。ネットニュースの中で動画広告が出てきたら、「もしCMとネット上の動画をつくり替えてたら、この会社のマーケターすごいな」って思ってYouTubeを見てみたり。いろんな学びや発見があるんで、是非広告は見まくってください。
自分の担当商品を使うこと、世の中の広告をとにかく見ること。数々の実績を残されている藤原様も、特別なことをやっているわけではなく、地道なことを継続されています。
野山:
では、今日はこのあたりで終わりにしようと思います。有意義なお話をたくさんしてくださって、ありがとうございました。
藤原様:
ありがとうございます。本当に長い時間聞いていただいてありがとうございます。
藤原様とのディスカッションを通して、ブランド支援会社へ成長していくために、今後求められることが少しずつ見えてきた気がします。
ブランドの価値を正しく理解することはもちろん、どうすれば届けたい人たちへそれを届けられるのか考え、事業/組織の両軸から本質的なアプローチをしていくこと。簡単なことではありませんが、今までやってきたことや世の中の常識に捉われず、これからも挑戦し続けたいと思います。
藤原様、お時間をいただき本当にありがとうございました。
以上でレポートを終わります。最後までお読みいただいたみなさま、ありがとうございました。