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イチ広告担当だった倉橋さんが、広告運用とクリエイティブの両方を深く理解し、クライアントの事業課題に踏み込んだ提案ができるようになるまで

今回登場いただくのは、さまざまな案件のプロデューサーとして活躍している倉橋さん。広告運用とクリエイティブの両方を深く理解し、事業者目線に立った提案をしてくれると多くのクライアントから信頼を集めています。

「もともとは言われたことしかできない人間だった」と語る倉橋さんですが、今やa-worksのさまざまなプロジェクトを牽引してくれる姉御として若手メンバーからも頼りにされている存在。「私の経験談なんて…」と謙遜する倉橋さんに頼み込み、これまでの振り返りと、成長につながったポイントを解説してもらいました!

【倉橋さんプロフィール】
化粧品メーカーでブランドマネージャーを務めたのち、2019年にa-worksに入社。その後、通販メーカーでウェブ広告全般の運用を経験し、2022年4月にa-worksに再入社。現在はさまざまなプロジェクトの責任者として、クライアントの事業構造を深く理解した上での広告運用や、LPO、チャットボットなど幅広い改善提案を手がけている。

倉橋さんがa-worksに再入社した背景を語った過去の記事はこちらから!関連記事:ふたたびa-worksで働くことを決めた理由。求められる基準が高く、しんどいけれどおもしろい

専門知識を持つメンバーに頼ろう!「意味のある壁打ち」で自分の基礎力を高める

ーーこれまでを振り返って、どんなことがご自身の成長に役立ったと感じていますか。

倉橋:私が成長できた大きな理由のひとつは、まさよさん(a-worksコピーライター)と定期的におこなっている「壁打ち」にあると思っています。

まさよさん関連記事:セールスに過激な表現はいらない。大切なのは「誰に何を伝えるか」。真摯に消費者に向き合うことで「売れるブランディング」を実現

壁打ちを始めたきっかけは、再入社後に担当した美容系健康食品の案件です。当時私は前職での経験を買われてプロジェクトチームに入れてもらったもののなかなか期待に応えられず、とはいえ、何が足りないのか、何を変えればいいのかが見えていない状態が続いていました。そうした中、チームメンバーだったまさよさんに声をかけていただき、週に一度の壁打ちミーティングを設けることになりました。

それまでの私は「他社で取れているこのクリエイティブを横展開すればいいかな」とか「数字を打ち出す見せ方が効果的らしいから、うちもそれを強調しよう」という表層的な考え方しかできていなかったんです。そうしたタイミングでまさよさんとの壁打ちを始めたのですが、当初は、本当に何を言っているのかさえ理解できなくて(苦笑)。それでも、まさよさんと一緒に「このバナーで数字が取れているのはなぜか」「この記事のパフォーマンスがよくないが、どうすればいいか」といった具体的な問いに向き合うことで、単に「いい」「悪い」という判断ではなく、その背景にある理由を考えられる視点が少しずつ身についていきました。

今思うと、わからないことをわからないと言える自分の性格もよかったのかもしれません。若手のみなさんも、誰かに相談するときは変に遠慮せず「ここがわからない」と素直に口に出すようにしてください。そしてただ答えを聞くのではなく、「なぜそうなのか」を考える習慣をつけてほしい。それを繰り返すことで、自分の基礎力を高めることができると思います。

a-worksでは勉強会や合宿も数多く開催されています。勉強会も壁打ちも、経験や異なる視点を得られる絶好の機会。普段からのインプットを含め、たとえ忙しくても「学びの時間を確保できない」という言い訳はしたくないなと思っています。

失敗を成長につなげるために。自分に何が足りなかったのかを素直に振り返ろう

ーーまさよさんとの壁打ちが始まり、その後は順調に頭角を現していった感じですか?

倉橋:いやまったく(笑)。まさよさんとの壁打ちを継続しながら美容系健康食品の案件を進めていたのですが、途中で「この仕事をぜんぜん自分ごと化できていない」ということに気がついたんです。

倉橋的「失敗から立ち直るプロセス」

失敗を認める:
まずは自分の失敗や足りなかった点を正直に認める
原因を分析する:なぜそのような事態になったのかを冷静に分析する
改善策を考える:次に同じ失敗をしないために何をすべきかを考える
新たな知識やスキルを身につける:足りなかった部分を補うための学習をおこなう
実践する:学んだことを次の案件で積極的に活かしていく

自分では問題なく広告を回せていると思っていた矢先、クライアントに「なぜこんな記事を作っているんですか?」と質問されたのですが、明確な答えを言うことができなかったんですね。それがきっかけでお互いの認識にズレがあるとわかったのですが、そのときは、当事者意識が欠けたまま進行していた自分に落ち度があったとかなり反省しました…。コミュニケーションや事業理解を他のメンバーに依存し、自分自身が案件の内容や目的を深く理解しようとしていなかった姿勢が、クライアントとのコミュニケーションのつまずきにつながってしまったんです。

それまでは「これは◯◯さんの仕事だから」と、仕事の内容に応じて線を引いていたのですが、それではダメだと。自分はどう変わるべきなんだろうと考えて、次にアサインされた案件では、意識的に上長の業務を巻き取っていくようにしました。

例えば、クライアントからの連絡は全部私が対応する、パートナーとのやり取りも私がおこなう。当時の私は、上長である百々(もも)さんの業務量を減らすことが今できる「価値あること」だと思っていたので、とにかく自分でできることは何でも引き受けるようにしました。

百々さんの関連記事:新規事業の影にこの人あり。数ある挑戦を牽引してきた百々さんが、挫折を経て第一線で活躍するまでの話。

仕事量はかなり増えましたが、「今のままじゃ悔しい!百々さんよりできる自分になりたい!」という気持ちが強かった。まだまだ叶いませんが、今もそういう思いはありますね。

私自身、失敗して初めて、自分に足りないものに気づくことができました。それを埋めていこうと行動したからこそ大きく成長できたと感じていますし、失敗は恥ずかしいことではなく、成長するための貴重な機会だと思えるようになりました。重要なのは、まずは自分で考えて行動してみること。そして、自分に何が足りなかったのかを素直に振り返り、新たな知識やスキルを身につけることで実践に移すことが大切だと思います。

「クリエイティブがわかる」とはどういう状態?a-worksの基準を理解しよう

ーー現在倉橋さんはクリエイティブのディレクションも任されていますが、そうした視点はどのように養っていったのですか。

倉橋:まずは、目の前のクリエイティブに対して「なぜこうなっているのか」「どうすればいいのか」と考えることからはじめました。最初のうちは「なんとなくいい」「なんとなく違う」としか言えなかったのですが、まさよさんとの壁打ちを重ねるにつれ、徐々に言語化できるようになっていきました。

倉橋的「クリエイティブ理解のステップ」

まずは「なぜ」を問う:
良いと思ったクリエイティブがあれば、なぜ良いのかを具体的に考える
分解して考える:構成、メッセージ、ビジュアル、トーン&マナーなど、要素ごとに分析する
ターゲットの視点で考える:そのクリエイティブがターゲットにどう響くかを想像する
実践と検証を繰り返す:自分の考えを実際に試し、結果から学ぶ
専門家との対話を大切にする:クリエイティブのプロから積極的に学ぶ姿勢を持つ

クリエイティブ理解を深めるために有効だったのが、他社の事例を積極的に分析する習慣です。良いクリエイティブを見つけたら、単に「いいな」と思うだけでなく、なぜ良いのか、どこが効果的なのかを具体的に分析する。そうした習慣が、クリエイティブを見る目を養ってくれました。コミュニケーションプランを考えるときには、購買行動をイメージしながら「このお客様は何を求めているのか」「どんな未来を提示すれば響くのか」というところまで考え、その背景にある理由を探っていく。また、これもまさよさんから教えてもらったものなのですが、「エニアグラム」という価値観分析の手法が、ターゲット理解を深める上ですごく役立っており、今も積極的に活用しています。

まさよさんもよく言っていますが、機能や性能だけでものを買う人はほとんどいないんですよね。その人の持つ価値観や、なりたい未来があって、それを実現する手段として商品を選ぶ。購買行動やエニアグラムを学んだことで、広告をつくる時も「この層の人にはこういう価値観があるから、こういうアプローチが効果的なはず」と考えるようになりました。

とはいえ、クリエイティブも広告戦略も、正解は常に変わります。日々実践と検証を繰り返しながら、その時々の最適解を見つけ続けることが必要だと思っています。

事業者視点を身につけることで、「この人に相談したい」と思ってもらえる人に

ーー「事業者視点での提案」は、倉橋さんが評価されているポイントのひとつです。倉橋さんはどのようにして「事業者視点」を身につけたと感じていますか。

倉橋:私にとって大きかったのは、事業者視点を意識した提案によって「自分はプロだ」という自信を持てたことでした。ある取り組みの際に「大丈夫。私の方が詳しいんだから、自信を持って提案しよう」と思い切った提案をし、その取り組みがうまく行った。それが原体験になっているような気がします。

倉橋的「事業者視点の身につけ方」

クライアントの事業全体を理解する:担当している商材だけでなく、企業全体の事業構造や市場環境を理解する
ユーザーの心理や価値観を深掘りする:フレームワークなどを活用してターゲットをより深く理解し、実際のユーザーの声を聞く
数字の裏にある「なぜ」を考える:単に成果数字を追うだけでなく、その背景にある要因を分析する
業界や市場のトレンドを常にキャッチアップする:担当業界の動向や競合の動きなどを把握しておく
クライアントと戦略的な対話を心がける:施策の提案だけでなく、事業課題そのものについて議論できる関係性を構築する

補足すると、クライアントの事業全体を理解するためには、表層的な理解にとどまらず、「なぜその事業をしているのか」という根本的な部分まで踏み込むことが重要です。例えばある案件では、単に商品を売るだけでなく、クライアントがその市場でどういう立ち位置を目指しているのかまでを理解することで、より戦略的な広告設計ができました。また、決裁者が何を判断軸にしているかを知ることも大切です。

事業視点を持っていれば、自然と「こうしたらどうですか?」と提案したいことが出てきます。一方で、ただ提案するだけでなく「なぜそれが事業にとって良いのか」という理由付けができることが信頼を築くコツかなと思います。クライアントよりも一歩先を考えること。そうすると自然とクライアントも「この人に相談したい」と思ってくれるようになりますし、互いに厳しい意見を伝えられる関係性を構築できると思います。

自分が面白いと思えることと、会社やクライアントにとっての価値が重なる部分を見つけよう

ーー倉橋さんのモチベーションとはなんでしょうか?

倉橋:正直に言うと、私は「面白いと思えること」しかやる気が出ないタイプなんです(笑)。だから、どんな案件でも「ここが面白い」というポイントを見つけるようにしています。

倉橋的「興味の持ち方」

「なぜ」を大切にする:「なぜこれが効果的なのか」「なぜこの戦略が成功したのか」といった問いを常に持つ
視野を広げる:担当業務だけでなく、関連する分野や市場動向にも目を向ける
個人の興味と仕事の接点を見つける:自分が面白いと思えることと、業務で求められることの共通部分を見つける
学びを言語化する:興味を持って得た知見を、自分の言葉で表現し、共有できるようにする
バランスを意識する:個人的な興味だけでなく、組織やクライアントにとっての価値も常に考える

私にとって「面白い」と感じることは、仕事のモチベーションを高め、より深く考え、行動するための原動力。とはいえ、個人の興味を追求するだけでは、プロフェッショナルとしての責任は果たせません。なので、自分がやりたいことと、会社やクライアントが求めていることのバランスを常に意識しています。例えば、自分は新しい施策にチャレンジしたいけれど、クライアントは安定した成果を求めている場合には、まずは安定基盤をつくることに集中し、その後小さくテストしていく、とか。自分が面白いと思えることと、会社やクライアントにとっての価値が重なる部分を見つけることが大切かなと思っています。

結局、成長するためには「自分ごと化」することと「楽しむこと」が大切なんだと思います。誰かに言われてやるのではなく、自分から積極的に関わり、「これは面白い」と思える部分を見つけること。それが自分の成長につながるんじゃないでしょうか。


倉橋さんありがとうございました!

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