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100日間16カ国!ひたすらに考える時間があったから深掘りまくった「自分自身のこと」「幸せのこと」

こんにちは!松本です。4月から約3ヶ月間休みをもらって世界一周旅行に行ってきたので、備忘録としてここに残しておきたいと思います。

【出発前のインタビュー記事】
会社の枠にとらわれない挑戦を。知識の幅を広げ続けるからこそ得られる武器がある

月並みな言い方にはなりますが、実際にそれぞれの国を訪れたことで、世界の文化・空気感を肌で感じることができました。でもそれ以上に、自分の価値観や幸せについて深く考える時間をたっぷり得られたことがいちばんの財産だったように思います。

約100日間の旅のなかでどんなことを考えていたのか、帰国した今、どんなことを考えているのか。旅の写真とともに書き綴っていきますのでどうかお付き合いください。(各国の印象はあくまでも個人的な感想です!)

毎日のように湧き上がる新しい疑問に対して、「なぜそうなっているのか?」を考える日々

旅の中では、嫌でも疑問の湧く出来事が毎日起こっていました。見たことのない建物、裕福な地域、文化の違い。旅に出て早々に、見たもの触れたものすべてに対して「なぜそうなっているのか」を考えることが習慣になっていました。

例を出すと、目の前の旅人がおみやげにクッキーを買っていたとします。この人はなぜそれを買ったのか?パッケージが美味しそうだったから?なぜ美味しそうと思ったのか?パッケージに金と黒のコントラストで高級感があったから?なぜ高級感を感じるのか?金は反射率が高く輝いているので、本能的な闇への恐怖を打ち消し、現代では社会的な貴重さが醸成されたから。ではなぜ反射率が高いのか?.…といった具合です。

このように、旅をしていると歩いているだけで毎日さまざまな疑問が大量に降りかかり、それぞれを掘り下げるステップを繰り返していった結果、答えのヒントやそこから生まれる新たな疑問は、いくつかの層に分けられることに気づきました。

ここからはあくまで僕の主観ですが…掘り下げ始めた最初の層は、具体的で実践的な領域。マーケティング論や心理学、行動経済学などに多く触れます。次の層は倫理的な領域で、社会学や文化学、コミュニケーション学などのマクロな視点に抽象化されています。そして最後の層は反証可能な確立した基礎的学問の領域に帰着し、物理学や生物学、数学などがそれにあたります。

表面的な違いの裏には、人間の本質的な部分での共通点がある

基礎的な学問の領域、について少し補足させてください。

目に見えることから疑問を見つけ、深掘りする…を繰り返した結果、「それぞれの国において文化や社会システムは異なるものの、そうした表面的な違いの裏には、人間の行動だけに限らず、ものごとには基礎的で本質的な変わらない部分がありながらも、その軸の種類は限定的でそんなに多くないのではないかのかも」と思いました。

ふだん働いているときも、何かの物事を理解するため、掘り下げて要素分解することが必要になる場面が多々あると思います。もっと広い視点で見ると、自分のことを理解するため、その先に他者を理解するためにも、適切な要因分解なしには絶対に達成できないと思います。

例えば、人は、美しい景色を見て感動するのはなぜなのか。いろいろな観光スポットに足を運んでみて「きれいだな」と思ったときに、ふと「なぜ人間はそう感じるのか」と疑問が湧きました。そして自分なりに思いを巡らせてたどり着いたのは、進化論の視点です。人間が美しい景色に感動するのは、そうでなかった遺伝子が絶滅しただけではないか。新しい景色を見て感動し、新しい地域に移動することで、そういった遺伝子だけが局所的な絶滅を避け、現代まで生き残ったのではないか、と。あくまで推論ではあるものの、他の無限の多種多様な感情も、ある領域まで掘り下げると本質的かつ根本的な部分で意外に共通点があるように思いました。

旅の最中は移動時間も多く、考える時間は無限にありました。普段の生活では常に何かに追われ、一見直接的な意味のない方向にゆっくりと思考を巡らせる時間を取ることが難しかったのですが、旅に出たことで改めて「考える時間」の大切さに気づくことができましたし、帰国後もそうした時間を意識的に設けるようにしています。

東南アジアは、タイ、カンボジア、ベトナムを訪問。出家してみたかったのですが、タイ語で読経しないといけないらしく諦めました。再チャレンジしたい
インド。身ぐるみ剥がされたり、適当に乗ったバスツアーで21時間帰ってこれなかったりとカオスな街でしたが刺激的だったのでまた行きたいです
ドバイは街全体が観光地の綺麗な街でしたが、タワー登るエレベータ乗るだけで2万円、ビーチでちょっとお酒飲んでランチ食べたら3万円はパーティーすぎ
エジプト。首からかけるミニ扇風機みたいなやつを市場の少年が珍しがって、本当に欲しそうに100回くらいお願いしてくるので、そんなに欲しいならと思って手渡すと、無言でどっかいったのでもう何もあげないです
トルコのカッパドキアで気球に乗ったが、大きな外国人に視界を遮られ、初めて脇の隙間から日の出を見ました

旅よりも、「好奇心を満たす手段」はいろいろある。例えば仕事とか

以前の記事でも「自分が見ている世界の範囲を広げ、解像度を高めることが好き」と言っていますが、そもそも旅に出たきっかけは、「好奇心を満たし続けるには旅が最適な手段なのでは」と考えたからです。が、日本を出発して50日が経った頃には「もうどこも一緒やん」という感覚になっていました。

旅に飽き始めている自分をおもしろがりつつ、そのときに考えていたのは、好奇心を満たす手段としては、旅よりも向いていることがあるかもしれないな、ということ。例えば仕事だと、人間の脳みそが溶けるか溶けないかのギリギリレベルの問題を与え続けられる、うまく設計されたゲームのようなもの。事業の成功は完璧な再現性を現代でも持っておらず、時代の進化と共に構造が変わり新しい問が生まれ、それに対してお金というポイントが与えられる。よく言われていることですが、この仕組みは好奇心を断続的に満たすために、もっというと、人間の暇潰しのため最適だからこそ、今まで残り続けてきた仕組みなのかなと感じました。

「旅」という短期間の訪問の場合、どうしても表面的な観察や体験にとどまりがちですが、仕事ではより深く問題に取り組み、解決策を見出す必要があります。その過程には新しい発見や学びがあるので、旅よりも資本主義社会内で価値を高める「仕事」のほうが断続的に好奇心に触れられる可能性もあるなと..。旅の後半は、そんなことを考えながら世界を巡っていました(笑)

得た知識を、共有し、議論し、共感し合いたいという欲求を知った

もうひとつ、この旅によって気づけたのは「自分自身のこと」です。またまた以前の記事の引用になりますが、旅に出る前から言っていた「仕事も旅行も含め、すべての体験は『知りたい』という欲求の延長線上にある」との思いに変化はないものの、以前まではこの欲求は「僕自身のみ」に向いていました。

新しい知識を得て好奇心を満たすこと。それが僕の幸せだと思っていましたが、旅を終えてみて、その点においてもっと深掘りできることに気がつきました。好奇心を満たすことはむしろ出発点で、得た気づきを誰かと共有し、議論し、共感し合うというプロセスこそが自分にとって重要なのだと。もともと抱いていた欲求なのか、a-worksで働き始めてから芽生えた欲求なのかは定かではないのですが、旅の途中、「このテーマについて誰かと議論したい!」と思ったことは一度や二度ではありません。

この気づきは、仕事に対するアプローチだけでなく、人生そのものや今後の選択にも大きく影響してくると思います。帰国後は新しい事業領域のリーダーとしてアサインされましたが、自分の幸せの方向性を深掘りしたことで、さまざまな背景やスキルを持つ人々と協力しながら新しい価値を生み出すことに、以前よりも楽しさを感じています。

新しい課題を深く掘り下げて解決策を見出す。その過程においてチームメンバーやクライアントと協力し、共感し合い、解決に導く。そしてこれらの要素が組み合わさることで、自分の好奇心も満たし続けることができたら最高ですね(笑)

伝えたいことは、この気づきは自ら深くまで要因分解を重ねた結果だったということです。野山さん(社長)もよく言っていますが「考えても考えても、この歳になっても自分のことに関する新しい気づきがある」というのは本当にそんな可能性もあるなと実感できました。自身の感じたことに対して、なぜそう感じたのかを根本的な領域まで考える。そうすることで、散らばっていた具体の事象が、ある一点で結びついていたことなどに気づき、一歩また自分のことを知るきっかけになると思っています。

先ほど出した例のように、美しい景色を見て感動したときに「絶景が好きです。」という段階で思考が止まっていると、次に美しい彫刻を見たときに、それが美しいと思うことと絶景が美しいと思うことの共通点が出てこない。共通点が出てこなければ、帰納的に自分のことを理解する機会が失われると感じます。

自分を通して自分を理解できていない人が他者の気持ちを想像することは難しいと思いますので、さらなる高いアウトプットのためにーー加えて、さらなる自分の幸せのために、考え続けたいと思っています。

ヨーロッパは、イタリア、フランス、ドイツ、スイスに行きました。憧れのヨーロッパで、感動的な出会いもたくさんありましたが、改めて先進国の中でも食事のおいしさ清潔さ安全さにおいて日本がずば抜けていることを認識した旅路でした

アメリカ。最後に5年前にも訪れた一番好きな街、ラスベガスで締めくくりました

メキシコ。イメージ通りの情熱的な国で楽しかったです。ある日の酒場で、酔った人に別の人が頭からお酒をかけられた場面に遭遇して、さすがに喧嘩かなと思えば、かけられた人がハッピーーーーと叫んでて好きになりました

南アフリカは、もっとも楽しかった国のひとつ。人々が情熱的でホスピタリティにあふれていた。一方で、強盗に遭遇するなど治安の悪さも経験(犯人の足が意外と遅くて振り切れた)。食事も美味しかった

南米は、ブラジル、ボリビア、ペルーを訪問。絶景の多い大陸でした。ボリビアは黒魔術が有名なので、お土産に黒魔術具として有名なラマ幼体のミイラを買いましたが、それをリュックに入れた日からニキビが増え続けました