こんにちは、a-worksの三田と申します。
2021年末をもって退職することとなり、広報から「せっかくなのでブログを書きませんか」と声をかけてもらったので、約1年ぶりにブログを書きます。5年間働いたa-worksについて、ありのままにお伝えできればと思います。
前回記事
入社4年。営業の三田が考える、価値提供と関わる人たちへの思い。
まずは、仕事でお世話になった事業主・ASP・メディアの方々。マーケティング支援をはじめさまざまにご協力いただいたパートナーの方々。そして、一緒に働いたメンバーのみんなに心から感謝申し上げます。
インターネット広告という急激に変化する市場において、2016年から5年間、a-worksの事業戦略・組織構築の根幹に関われたことは、僕の社会人経験において最大の幸運でした。
本当に恵まれた環境で仕事をさせてもらえたことに感謝を込めて、個人や会社について振り返りたいと思います。
- a-worksで得たものは「シンプル思考」「いいチームづくり」「共に高めあえる仲間」
- シンプル思考=原理原則や本質を捉えること
- いいチームづくりにおけるリーダーの心構え=会社の目標やビジョンを個々に合わせた距離感で設定すること
- 思考力が鍛えられ、同じ熱量で語り合える仲間と出会えた
- PLの公開によって、事業全体の数字を自分ごととして俯瞰できるように
- 社内体制の変化によって、生まれる化学反応がおもしろい
- 新規取組やパートナー選びのナレッジ化を進めたかった
- a-worksの魅力は、成長市場でどんどんチャレンジができること
- 最後に。a-worksへの感謝と、新しい環境を選んだ理由
a-worksで得たものは「シンプル思考」「いいチームづくり」「共に高めあえる仲間」
a-worksでは主に広告運用を手掛け、2年前からはチームリーダーを務めさせていただきました。この会社で得られたものは数え切れませんが、中でも特に自分の力になっていると感じるのが、「シンプル思考」「いいチームづくり」「共に高めあえる仲間」の3つです。
シンプル思考=原理原則や本質を捉えること
一般的な解釈の「シンプル思考」とは少し違うかもしれませんが、僕が思うシンプル思考とは、原理原則や本質を捉えること。そのためには、目の前にある物事の「無駄」を削ぎ落とすことが大切です。
脳の処理能力にはキャパがありますし、プライベートでは後輩から「パピー並みの脳みそやな」といじられる僕の場合、同時にいくつものことを考えながら目の前のことに注力することが難しい(笑)。だからこそ、目の前の問題において「無駄な部分はなにか」を考え、削り、本質を捉えられるよう心がけてきました。
僕が考える無駄なこととは、「自分主体の感情」と「コントロールできないもの」です。
「充実感を持って働きたい」「自分らしく働きたい」といった「自分主体の感情」は、モチベーションを保つうえでは必要ですが、仕事の目的にするものではないと考えています。
目の前にある仕事に対して、「自分がどうしたいか」という内向きの視点ではなく、「何が必要で何が求められているのか」という外からの視点で取り組むこと。そうすることであらゆる基準が客観的になるため判断スピードが上がり、物理的にも時間的にも余計なロスを抑えることができます。
仕事に対する充実感は、結果的についてくるもの。「成果を出すためには何をすべきか」に真剣に取り組んでいれば、自ずと生まれてくるものだと思います。
全体の進行はもちろんですが、会議や打ち合わせ、資料づくりなど業務ひとつひとつのすべてが同様です。「自分がしたいこと」より「すべきこと」を優先することが質の高いアウトプットにつながり、それによって「充実感」や「やりがい」という「自身の快適さ」につながるのではないでしょうか。
もうひとつの無駄は、「コントロールできないもの」。「他人の感情」や「起きてしまった結果」がこれに含まれます。
例えば、提案や営業活動をおこなうとき。
相手にいい印象を与えたいと、少しだけ異なる複数案を提示するケースは少なくありませんが、個人的には悪手だと思っています。選択肢だけをいたずらに増やすと「選ぶ」ことが目的になってしまい、互いに本来の目的を見失ってしまう。僕が考える正解は、「まったく方向性の異なるパターンを2つ程度用意して、どちらにも対応できるよう行動する」もしくは「自信のある内容を決め打ちで提案する」のどちらかです。
僕は後者を選ぶことが多いのですが、その理由は「どれだけ考えても結果をコントロールすることはできない」から。相手の感情を予想してコミュニケーションを取ることは大切ですが、あくまでも予想でしかありません。だったら、自分が考え得るすべての可能性を模索したうえで自信のある提案をぶつけ、その反応から内容をアジャストしていったほうが本質的かつ効率的だと思うのです。
また、「うまくいかなかった商談」は「起きてしまった結果」なので、なぜうまくいかなかったのかをいつまでも考え込むのは意味がないと思っています。反省と改善は必要ですが、早々に気持ちを切り替えて動き出すほうが建設的です。
とはいえ。「他人の感情はコントロールできない」と言いつつも、好きなメンバーにはいろいろと干渉したくなる自分がいるのも正直なところです(苦笑)。
新しい業務領域に携わるときには得意を起点に考える
僕が新しい業務領域に携わるときにはいつも、自分な得意なことを起点に考えるようにしていました。これから挑む領域の情報を得たらそこから無駄を削ぎ落とし抽象化することで、自分の得意がどのように生かせるのか、といったヒントが見えてきます。
僕は比較的営業が得意だと自負していますが、営業の本質を掴んでいれば、その土俵が広告運用であっても例えば不動産であっても、自身のメソッドを横展開して仕事を進めることが可能です。
また、なにかを学ぶ際にもシンプル思考は有効です。マネジメント、マーケティング、リーガルなどa-worksに入社してから新たな分野の学びにたくさん触れてきましたが、本質を掴むことができれば、習得のスピードがグッと向上すると思います。
いいチームづくりにおけるリーダーの心構え=会社の目標やビジョンを個々に合わせた距離感で設定すること
ここ数年は特に「いいチームづくり」にこだわって取り組んできましたが、その理由は「自分1人では何もできない」と心から感じているからです。
仕事において高い評価をいただくたびに実感するのは、「自分1人だけでは何もできないのだな」という事実。リーダーとして、いいチームをつくることが事業の成果につながると考えていましたし、それが僕に求められる役割のひとつでもありました。
「いいチームづくり」に向き合う中で得られたのは、「人は誰しも幸せになるために生きているし、働いているのだ」という視点です。
数値目標やアウトプット内容など、定量的な評価基準はもちろん重要ですが、一方的な期待値を押し付けるだけではいい関係性は築けません。
先ほど「僕が考える無駄なこと」に「自分主体の感情」を挙げましたが、あくまでもそれは「仕事」に対する向き合い方。「幸せになりたい」という感情は生きるうえで欠かせないものだと思っていますし、誰もが持っている「自分自身の理想の姿」や「ビジョン」は大切にすべきだと考えています。
リーダーとしてメンバーの目標設定をおこなう際に大事にしているのは、まずは相手の理想やビジョンを僕なりに理解すること。そのうえで、それを叶えるためのステップを分解し、本人が「やれる!」とイメージできる目標値や作業項目へと落とし込み、会社の指針を「個々に合わせた距離感」で設定すること。
仕事での成功体験を通じて「本人が思い描く幸せ」への道筋を示すことが、組織のリーダーに求められる役割だと思っています。だからこそ、漠然とした理想を分解して個々の目標に落とし込むことで、仕事への取り組み方が「自分主体」から「他者視点」へと変わることを期待していますし、周囲との関わり方が自身の人生に大きな影響を与えることを実感してほしいと願っています。
いいチームづくりへの課題を挙げるならば、マネジメント人材の育成を
ただ個人的な印象ではありますが、メンバー全体を見てみると、自分自身に対して「能力的にできている」もしくは「足りている」と感じている人が、全体の比率としては多いのかなと感じます。
僕は、代表の野山さんから「相手が誰であっても、自分の意見や考えが100%正しいと思い込まず他者と向き合い、自分の欠点を認め、信頼形成をしていく姿勢」を学んできました。
こうした姿勢は、組織で働くうえでとても大切なものだと思います。自分を疑い、他者と向き合えば、自分自身の「足りていない」部分に気づくはず。そのうえで自分が追うべき数字に向き合うことができれば、さらなる成長につながります。
もちろん、自信を持って仕事に取り組むことや個人プレイに振り切る人も、組織においては必要です。僕が気づいていない、いいチームづくりの要素はたくさんある、とも思います。けれど、やはり組織を強くするためにはマネジメント力は不可欠。そしてそれは、今のa-worksに足りていない部分でもあると感じます。
マネジメント力のある人材が1人を育て、その1人がまた別の後輩を育てる…といった文化が生まれれば、自身の「足りなさ」に気づけるメンバーが増えると思いますし、もっともっと「いいチーム」「いい組織」に近づいていくのかなと思っています。
と言いながら自身を振り返ってみると、問題意識は持っていたものの行動に移し切れていなかったなと大きく反省している点でもあるのですが…。
僕がマネジメントを語るには足りない部分が多いと自覚していますが、「いいチームづくり」は、リーダーとしてもっとも注力してきた部分です。書き切れないことがたくさんあるので、社内で興味のある方は個別メッセージをください(笑)。
思考力が鍛えられ、同じ熱量で語り合える仲間と出会えた
自分の考えをしっかり持った人、さまざまな能力を持ち、同じベクトルで議論ができる熱量が高い人たちと出会えたことも、a-worksで得た財産です。
入社当初は思うように結果が出せず、とても不甲斐なく悔しい思いを抱えていました。そうした中、野山さんや先輩メンバーには本当に数え切れないほど助けていただきました。
不慣れだったテキストコミュニケーションのコツや、社外とスムーズに連携する方法といった具体的なアドバイス、仕事に対する向き合い方まで。特に、野山さんに何度もお付き合いいただいた「思考力を鍛えるトレーニング」は、今の僕の基盤をつくってくれたと本当に感謝しています。(休日にも付き合っていただき…感謝しかない)
起きている問題を明確に理解するためには、事実ベースで漏れなく構造的に捉え、因果関係の追求が重要であること。そのうえで原因の仮説を立て、インパクトが強い打開策のポイントを見つけること。
個人やチーム、事業や会社全体についてなど、この5年間でたくさんの課題に向き合う機会に恵まれました。そうした日々の繰り返しが、先に記した自分なりのシンプル思考につながっていると感じます。
僕が思う「熱量」とは、毎日が充実しているというよりも、未来に向かってより高い成功をイメージし、それに向かって毎日を生きているかどうか。そうした思いを持つ人たちと関わり、語り、仕事ができたことは何事にも代えがたい経験です。
もしその人たちが僕の気持ちを受け取ってくれるならば…(笑)、これからも一生関わっていきたいなあと思っていますし、そう思える仲間やパートナーと出会えたことは人生で本当に意味のある時間だったと思います。
ほかにも、飲み会で「顧客満足度を向上させるためには」をテーマに延々と語り合ったり、忘年会やカラオケで際どいネタを披露したり、「元ヤンキャラ」を確立されたり…。プライベートでも楽しい思い出がいっぱいです。本当に充実していた5年間でした。
PLの公開によって、事業全体の数字を自分ごととして俯瞰できるように
5年間を振り返ると会社全体にもさまざまな変化がありましたが、その中でも個人的によかったと感じる変化は「全社のPL(損益計算書)が公開されるようになったこと」。現在a-worksでは会社のPLが全社公開されており、毎月の納会ではメンバー全員で振り返る時間を設け、各部門の上長が集まるリーダー会ではPLをベースに議論をおこなっています。
僕が統括していたのは収益部門なので、利益構造を全体で捉えることが重要です。そのうえで考えなければいけないのは、自部門の数字はもちろんのこと、会社全体の数字を「どの軸で」「どの期間で」「どのように」追うのか。どの数字が変化したときに、どのような行動を取るのか。
無数の考え方があるそんな問いに対して、他部門のリーダーたちのさまざまな見解に触れ、互いを尊重し、よりよくなるようさらに知恵を絞っていく。こうした時間は、非常に貴重な体験でした。
会社員の特権を超活用させていただき、ほぼノーリスクで組織課題や事業課題に向き合う機会をいただけたのは本当に感謝すべきこと。事業の数字を野山さんやリーダー陣と一緒に追い続けた日々は、「経営」というものを自分ごととして考えるきっかけにもなりました。これは、a-worksでしか成し得なかった自身の変化だと思います。
社内体制の変化によって、生まれる化学反応がおもしろい
また、常に先を見据えて新しいものをどんどん取り入れるのもa-worksの特長ではないでしょうか。フレックス制度の導入やコアタイム廃止、フルリモートワークへの移行、組織変更など、a-worksの社内体制は常に変化しています。
新しい試みのたびにガバナンスミーティング※が開かれ全社で意見交換をおこなう風土はa-worksのポジティブな一面だと思いますし、変化に積極的なa-worksが、僕は好きです。
もちろんさまざまな意見があり、僕自身、試みのすべてに賛成の立場を取っていたわけではありません。とはいえ組織運営においては全員が納得するのは無理だとわかっていますし、それ以上に、新しい制度に対して個々人がどんな感情で向き合っていくのか、どのように組織に馴染んでいくのか、その変化を間近で観察できたのはとても印象的でした。
自分には少しネガティブだけれどほかの人にとってはポジティブだったり、またその逆もあったり。会社に変化があるたびにいろんなところで化学反応が起こり、それによって新たな視点や関係がたくさん生まれていたように思います。ぜひこれからも、変化に積極的なa-worksであってほしいと願っています。
※ガバナンスミーティング:会社全体のルール作りや新しい取り組みなど、組織をよりよくするために設けられた会議体。その日のテーマについて興味・関心のあるメンバーなら誰でも参加でき、意見を言うことができる。
新規取組やパートナー選びのナレッジ化を進めたかった
一方、収益グループのリーダーとして、新規取組やパートナー選びのナレッジ化をもっと進めたかった、という反省もあります。
僕のレベル(まだまだという意味です)の解釈ですが、この5年間を振り返ってみると、いくつかの新規取組やパートナー選びに関して、いろんな人が同じような失敗を繰り返してきた印象があります。
もちろん、それが結果的に個々の学びとしてすごく意味を成していたのかもしれません。けれど個人的には、失敗の確率をできるだけ減らしながら、新しい取り組みに向き合える仕組みをみんなでつくりたかったなあ…と、今さらながら自分の力不足を憂いています。
a-worksは少数精鋭組織です。だからこそ、その体制を生かしてこれからの事業を推し進めるためには、もっと多くのメンバーが新規事業に関わるアイデアを出したり、これまで以上に向き合う必要があると思います。
a-worksの魅力は、成長市場でどんどんチャレンジができること
前回のブログでも触れましたが、僕がa-worksに入社した理由は、前職の経験を生かし、より難易度の高い仕事にチャレンジしたかったから。
アフィリエイト広告市場の成長速度に魅力を感じましたし、未経験者でもやる気があればどんどんチャンスを与えられる社風に惹かれて入社を決意しました。
結果、a-worksではさまざまなチャンスに恵まれ、インターネット広告を通じて、マーケティングやブランド支援を広く学ぶことができました。また、仕事への取り組み方や考え方など、社会人として大きく成長させていただいたと感じます。
目的を果たす為に成長が必要な人、変化を楽しめる人にとって、a-worksはとても刺激的な場所。ここまで紹介してきた社風に少しでも興味を持ったなら、チャレンジする価値はおおいにあると思います。
最後に。a-worksへの感謝と、新しい環境を選んだ理由
今さらですが、僕はいい大学を出ているわけでもなければ、すごく要領がいいタイプでもありません。ただ昔から人一倍の野心はあり、前職のときからずっと「とにかく出世がしたい」「たくさんの人に認められたい」という思いを強く抱いていました。だからこそ、a-worksでも人一倍成果にこだわってきたつもりです。
最後にこうしてブログを書くくらい、a-worksで働いた時間はかけがえのないものでした。「じゃあなぜ転職を?」これは、何人もの方からいただいた質問です。
結論から言うと、「もっと自分に力をつけたい」から。僕は今32歳ですが、a-worksで過ごした5年間によって、ポジティブにリスクを取りに行ける力が身につきました。だからこそ、今の快適な環境を離れ、より多くの人が関わる事業、難易度の高い事業に挑戦したい。この選択によって、数年後の自分は、きっと今より希少性の高い能力を身につけていると確信しています。
「a-worksを辞めても縁が切れるわけじゃない」は野山さんの口癖ですが、僕もそう思っています。ここで出会えた人との縁を一生大事にしたい、という気持ちも本心です。これからの新しい経験、環境、出会いを通じて僕自身がもっと成長することで、a-worksメンバーとこれまで以上に刺激し合える関係が築けると信じています。もしかしたらいつかまた、共に働く日が来るかもしれません。
在籍中、「三田さんがいなかったら辞めていたかもしれない」「三田さんがいなければ今の自分はない」という言葉をくれた人たちがいます。(お世辞かもしれませんが 笑)
そうした言葉をかけていただいた事実だけでも会社に対して貢献はできたのかなと思う一方、会社が求めていた「すげえこと」のレベルに達していたのだろうかと自問することもあります。けれどそう振り返られることに自身の成長を感じますし、こんなにたくさんの経験ができる会社は滅多になく、すべての経験は確実に自分の糧になっています。
僕は、本気で事業に向き合った先に、本当に尊敬できる仲間と出会えることを知っています。その姿勢は、これからもきっと変わりません。
a-worksメンバーはじめ、私と関わって下さった多くの社外の方々にも改めて感謝を申し上げます。長くなりましたが、5年間本当にありがとうございました。またお会いましょう!