採用をかけても応募が集まらない、いい人材を採用できない、採用してもすぐに退職してしまう…
こうした悩みを抱えている企業は少なくありません。
そもそもa-worksのようなベンチャー企業・中小企業は、採用市場においてとても不利な立場にあります。採用に力を入れている大手企業と戦うのは難しい…と感じている人事担当者も多いのではないでしょうか。
認知もなく、信頼もなく、資本もない中小企業が、優秀な人を採用するためにはなにをすべきかーー。
数年前。採用活動に悩んでいたa-worksでは、まず採用活動の前提や仕組みを疑うところからスタートしました。
- 従来の採用活動は「運任せ」
- 採用のターゲットは「転職潜在層」と「転職顕在層」が存在する
- 転職顕在層を狙うとき、ライバルは大手企業
- 転職潜在層と「偶然の出会い」をつくる
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「積極的な情報発信」は「とにかくたくさん」ではない!重要なのは「意味のある発信」
- 興味を持ってくれた求職者の受け皿を用意する
- 検索やSNS経由でオウンドメディアと出会ってもらう
- 発信の継続が、採用活動の精度を上げる
- リファラル採用にも効果を発揮
- 1人あたりの採用CPAが3分の1以下に
- 採用市場で重視される「信頼と約束」
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【ベンチャー企業の採用戦略】採用活動を考えることは、会社がどうありたいかを考えること
- 従来の採用活動は「運任せ」
- 採用のターゲットは「転職潜在層」と「転職顕在層」が存在する
- 「積極的な情報発信」は「とにかくたくさん」ではない!重要なのは「意味のある発信」
- 採用ターゲットをステップで分類する
- 興味を持ってくれた求職者の受け皿を用意する
- 検索やSNS経由でオウンドメディアと出会ってもらう
- 発信の継続が、採用活動の精度を上げる
- 1人あたりの採用CPAが3分の1以下に
- 採用市場で重視される「信頼と約束」
従来の採用活動は「運任せ」
もしあなたが中小企業の人事担当者だったとしたら。会社から「採用に力を入れたい」と言われ、まずどんなことをおこないますか?おそらく、「求人媒体に掲載する」「転職エージェントに登録する」といった方法を思い浮かべる人がほとんどでしょう。けれど実際は、そうした従来の採用活動の仕組みのみで、中小企業がいい人材を獲得することはほとんど不可能です。
自分に置き換えて考えてみてください。さあ転職しようと考えたとき、求人媒体や転職エージェントを経由して「名前を聞いたことがない、何をしているかもわからない会社」と出会い、応募する確率はどのくらいあるでしょうか。業種や職種による検索で「たまたま見つける」ことはあるかもしれません。でもそれって、どこまでいっても運任せです。
会社の成長のために必要な人材を求めているのに、それが運任せって…あまりにも無謀だと思いませんか?
けれどそれが、中小企業の人事採用の現実です。
ちなみに。
この記事では採用戦略の考え方や手法を紹介していますが、a-worksでは大前提として、求める人材を採用するためには、企業の姿勢・方針を確立にすることが重要だと考えています。
「この会社はなんのために存在しているのか」「どうありたいのか」「どんな人と一緒に働きたいのか」そうした指針がなければ、手法だけを真似ても意味はありません。本記事と併せて、ぜひこちらもご一読ください。
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【ベンチャー企業の採用戦略】採用活動を考えることは、会社がどうありたいかを考えること
採用のターゲットは「転職潜在層」と「転職顕在層」が存在する
では、中小企業が運に頼らず、求める人材に応募してもらうにはどうしたらいいのか?
それらを紹介する前にまず、採用におけるターゲット層について考えてみましょう。あまり知られていませんが、実は採用におけるターゲットは「転職顕在層」と「転職潜在層」の2種類が存在しています。
「転職顕在層」とは、もうすでに「転職したい」と決めている人たち。転職エージェントに登録したり求人情報にアクセスしたりと、すでに具体的なアクションを起こしているので、企業からのアプローチがしやすい層と言えます。
一方「転職潜在層」とは、現時点では転職という選択肢を考えている状態ではないものの、将来的に転職顕在層になる可能性のある人たちのこと。具体的に動いているわけではないので、見つけるのは困難です。
「転職潜在層は採用のターゲットではないのでは?」と思われたかもしれません。が、それこそが中小企業の採用活動を考える上で疑うべき前提です。
繰り返しになりますが、従来の採用活動の仕組みは、知名度のある大手企業に有利にできています。だからこそ、中小企業が優秀な求職者に選んでもらうためには、「転職顕在層」「転職潜在層」の両方に、「自分たちの会社を知ってもらうためのアプローチ」を続ける必要があるのです。
では、それぞれの層に対して、どのようなアプローチが必要なのかを見ていきましょう。
転職顕在層を狙うとき、ライバルは大手企業
転職顕在層に自社を知ってもらうきっかけは、求人媒体や転職エージェントが主となります。その際のライバルとなるのが、大手企業です。
大手企業と同じ媒体、同じ人材サービス経由で自社を知ってもらったとしても、最終的にどの企業に応募するのかを選ぶのは求職者自身です。
求職者は、さまざまな会社を比較・検討して応募する会社を決定します。求職者の応募候補に入るためには、自分たちの会社に魅力を感じてもらうための働きかけ=積極的な情報発信が必要です。
求人票にある情報だけでは、「どんな会社なのか」「なにを大事にしている会社なのか」は伝わりません。
もう一度、自分に置き換えて考えてみてください。なにもわからない会社に応募してみたいと思いますか?それが知名度のない会社ならばなおさら、応募を検討することはないでしょう。
採用市場におけるライバルは、「なにをしているか」「どんな会社か」がわかりやすい大手企業です(実態はさておき)。それらの企業と同じ土俵で戦うためには、「わたしたちはこういう会社なのだ」と、しつこいくらいにはっきりと発信し続け、共感してもらう必要があるのです。
転職潜在層と「偶然の出会い」をつくる
転職潜在層へは、転職の意思がない段階から自社について認知をしてもらうことで、転職を考えたときに転職先候補に挙がる状態を狙います。
転職顕在層に働きかけ、優秀な人に選んでもらうことが、従来の採用活動の王道パターンです。けれど、それを継続しておこなえるのは資本力のある大手企業に限られます。
だからこそ活用すべきは、インターネットでの発信です。インターネットは、偶然の出会いをつくるのに最適なツール。インターネットを通じて気が合う人と出会えることが当たり前になったように、知名度に関係なく自分の価値観と合致する企業に出会うことも可能になりました。
出会いを創出するために必要なのは、ふだんから積極的な情報発信をおこない、キーワード検索やSNS経由によって転職潜在層との「偶然の出会い」が生まれやすい土壌をつくっておくこと。ちなみに、採用活動を念頭に置いた情報発信を続けてきたa-worksでは、会社の考えに共感したからここに転職したいと思って応募した、という逆転現象も起きています。
現状、「転職潜在層」へのアプローチはほとんどの企業がおこなっていないからこそ、中小企業は積極的に狙うべきだと考えています。この層との出会いが増えるほど、「効率よく自社の文化・価値観に合った人材の採用につなげる」ことが可能になるからです。
「積極的な情報発信」は「とにかくたくさん」ではない!重要なのは「意味のある発信」
つまり、「転職顕在層」「転職潜在層」のどちらへも、中小企業がおこなうべきは「積極的な情報発信」。その目的をおさらいすると、以下のようになります。
- 転職顕在層・・・転職活動で他社と比較したときに魅力を感じてもらい、実際に応募してもらうことを目的とした働きかけをおこなう。
- 転職潜在層・・・転職の意思がない段階から自社について認知をしてもらい、転職を考えたときに転職先候補に挙がる状態を狙う。自社との出会いをきっかけに、転職への機運をつくる。
「積極的な情報発信」と聞いて、「内容はともかく、とにかくたくさんの数を発信すればいい」と解釈する人は少なくありません。ですが、意味のない情報発信は必要な情報にたどりつきにくくするため、はっきり言って逆効果です。
発信内容について考える前に、まずは採用ターゲットの「転職顕在層」「転職潜在層」をさらに細かく分類してみましょう。
採用ターゲットをステップで分類する
求職者が応募を決めるまでには、
- 認知する
- 理解を深める
- 比較・検討する
の3つのステップがあります。これを、「転職顕在層」「転職顕在層」と組み合わせると、ターゲットはこのようにわけられます。
では、それぞれの採用ターゲットにどのような順で、どのような情報を発信するのが効果的なのか。a-worksが手掛けてきたオウンドメディア(自社ブログ)を例に説明します。
興味を持ってくれた求職者の受け皿を用意する
採用活動の一環としてオウンドメディアを機能させるためには、まずは「自社に興味を持っていて詳しく知りたい転職顕在層」の受け皿を、スピード感を持って用意する必要があります。
求人サイトや転職エージェント経由で会社を知った転職顕在層は、ほぼ全員が「どんな会社だろう」と検索します。なぜならみんな、求人サイトや転職エージェントで見聞きした以上の情報を欲しているからです。
このときのオウンドメディアに求められる役割とは、「どんな社風なのか」「自分に合っているだろうか」「仕事内容を詳細に知りたい」といった問いに対する答えが網羅されていること。反面、コンテンツが少ないと信用をなくしてしまうので、できるだけ早いペースで幅広いコンテンツを追加することが望ましいです。
オウンドメディアのコンテンツを充実させることにより、求職者は会社について深く知ることができますし、「果たして本当に自分に合っている会社なのか?」をしっかり検討できるようになります。それにより、会社の雰囲気や社風を理解したうえで応募する人の割合が増加するため、応募者と会社のそもそものミスマッチを大きく減らすことができます。
その結果、「明らかに自社の採用基準に達していない求職者」からの応募が減少するため、人事担当者は、会社の成長に必要な人材の精査に注力できるといったメリットも生まれます。
検索やSNS経由でオウンドメディアと出会ってもらう
会社に興味を持った求職者へのコンテンツが充実してきたら、次は「まだa-worksを知らない転職潜在層」「まだa-worksを知らない転職顕在層」にアプローチするためのコンテンツを増やしていきます。
キーワード検索やSNSからの流入でオウンドメディアを知ってもらい、会社の認知度アップを狙います。すでに転職を考えている人であれば転職先のひとつとして検討するきっかけにもなりますし、実際に、オウンドメディアで知った企業姿勢への共感が、転職の理由となることもあります。
ただし、繰り返しになりますが、発信の前提として重要なのは企業の姿勢・方針を確立することです。
「この会社はなんのために存在しているのか」「どうありたいのか」「どんな人と一緒に働きたいのか」。そうした指針がなければ、ひとつひとつのコンテンツにバラツキが生まれ、読み手への不信感にもつながってしまいます。「いい人材」を採用するためには、会社を信用してもらうことがもっとも大切。そのためには、会社がどうありたいかを考えることが不可欠なのです。
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【ベンチャー企業の採用戦略】採用活動を考えることは、会社がどうありたいかを考えること
発信の継続が、採用活動の精度を上げる
採用に力を入れる以上、採用サービスをまったく活用しない、というのは現実的ではありません。しかし近年、採用サービスの費用は上昇傾向にあり、闇雲にさまざまなサービスを利用していてはどれだけお金があっても足りません。
a-worksでは、採用サービスをひとつひとつ検証し、それぞれの特徴や登録者層、掲載している他社企業などを洗い出して、しかるべき媒体を利用しています。一般的にはあまり知られていなくとも特定の職種に強いサービスなどもあり、得意不得意を見極めながらうまく活用することが重要です。
とはいえ、知名度のない中小企業がただ採用サービスを利用するだけでは、その先のステップへ進んでもらうことは難しいのが現状です。
本記事の興味を持ってくれた求職者の受け皿を用意するのトピックでも紹介したように、重要なのは、会社の指針に即した意味の発信を継続すること。求職者が抱いている「会社について深く知りたい」との要求をオウンドメディアが満たすので、自社の採用基準を満たす求職者が次のステップへ進む確率が格段にアップします。
リファラル採用にも効果を発揮
オウンドメディアでの発信を継続しておこなっていると、自然と増えるのがリファラル採用(自社従業員による紹介採用)です。オウンドメディアが、一緒に働きたいと思った人材に「こんな会社だよ」と説明するツールになるので、社員にとっては紹介のしやすさが格段にアップし、紹介された側にも安心感を与えます。
リファラル採用は、実際に働いている社員が自社に合っていると思う人材を連れてきてくれるので、マッチ度や定着率が高いというメリットがあります。 自社採用なので、採用コストも大幅に削減できます。
1人あたりの採用CPAが3分の1以下に
ここまでエントリーマーケティングの具体的手法を紹介してきましたが、あくまでもこの取り組みの主目的は「会社にマッチする人材を採用すること」。ですが、実は採用コストの削減にも成功しています。
本格的に採用活動を開始した2015年当時は、1人を採用するのに約150万円のコストがかかっていました。それが、直近3年の平均値は40万円代にまで低下。採用基準の引き上げもあり時期によって多少のブレはありますが、現在も30万〜50万円前後を推移しています。
採用市場で重視される「信頼と約束」
なんとなくよさそうだと思って入社したものの、やっぱり合わなかったから数ヶ月で辞めてしまった…という状況は、求職者にとっても会社にとってもダメージでしかありません。一緒に働くからには長く働いてほしいし、楽しんで働いて欲しいと、a-worksは思っています。
一人ひとりの性格が違うように、会社の考えや社風もすべて違います。その中から互いに「合う」と思える相手と出会うのは、本当に難しい。モノを買うときに比較・検討をして購入するスタイルはもはや常識ですが、採用活動においてもそれは同様だと思います。求職者に、「a-worksとほかの会社はなにが違うのか」「なにを大事にしている会社なのか」といったことを知ってもらい、共感できると思ったうえで応募に進んでほしいのです。
ベンチャー企業が成長を続けるためには、優秀な人材が欠かせません。だからこそa-worksでは、時間と手間をかけて採用活動をアップデートしてきました。
採用市場においては今後ますます、「約束と信頼」が重視されるようになるでしょう。会社から応募者へは「a-worksでは、道徳的にも経済的にも豊かな人生を実現できますよ」と約束し、応募者から会社へは「a-worksで働いたら楽しそう!豊かな人生を歩めそう!」との信頼を抱いてもらう。そうした「約束と信頼」を積み重ねることで、a-worksは採用市場におけるブランド力を高め、いい人材との出会いにつなげていきます。
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